2007年3月1日(木)17:41

ドイツの野党はメルケル首相にEU憲法の具体的提案を要求

AFP

ドイツの野党はアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)に対して、EU憲法について具体的な提案を行なうよう求めた。「ロードマップだけでは足りない。内容が求められている」。連邦政府は欧州憲法がどのようなものになるのかを発表する必要がある、と自由民主党(FDP)のグイード・ヴェスターヴェレ党首は連邦議会のEU政策に関する討論で要求した。メルケル首相は政府声明の中で、6月までにロードマップを作成するとの意向を強調した。水曜日にスペイン政府が伝えたところによれば、メルケル首相は今年12月のEU首脳会議の席で憲法条約に調印*するよう強く求めているという。

ヴェスターヴェレ党首はメルケル首相に対し、現行の憲法条文を維持するのか、それともいくつかの重要項目に限定した短縮版の憲法条約を目指すのか、明確にするよう求めた。FDPのジルヴァーナ・コッホメーリン欧州議員は、メルケル首相は「密室外交をやめ、市民を参加させ、憲法の修正提案を公表」しなくてはならないと述べた。

左派のオスカー・ラフォンテーヌ議員団長も、メルケル首相がEU憲法の目標に関しほとんど発表していないと批判した。同議員団長はドイツでも憲法批准を問う国民投票を行なうよう求めた。緑の党のレナーテ・キューナスト議員団長は政府声明を「社会性が冷たく、意欲にも欠ける」と批判した。

メルケル首相は、50年前と同様に今日もEUは重要な岐路に立っていると述べた。当時は欧州の再建が問題となっていたが、現在はEUを新たな規模と、全面的に変化した世界情勢に適応させることが課題だ。ドイツ政府はこの責任を引き受け、欧州統合プロジェクトを推進するつもりだ、と首相は語った。「私たちはEUが私たちの未来であることを知っている」。憲法は根本的な問題であり、欧州連合が2009年6月の欧州議会選挙にどう臨むかという点でもきわめて重要だ、とメルケル首相は主張した。

ルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相は、今後の交渉で「憲法条約の実質」を保持するよう主張した。リベラル系フランス民主連合のフランソワ・バイル大統領候補もルクセンブルクでユンケル首相との会談を終え、活気溢れる、行動能力の高いEUを支持した。

EU憲法条約は、2年前のフランスとオランダの国民投票での批准否決以来、凍結状態にある。加盟全27ヶ国中、ドイツとスペインを含む18ヶ国はすでに批准を終えている。

原題:Opposition fordert von Merkel Vorschlaege zu EU-Verfassung

*訳注:憲法条約は2004年10月29日にローマで調印されているが、ここで問題になっているのは新たな「修正版」の条約と思われる。




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